タジク語とはWhat is Tajik
タジク語(забони тоҷикӣ zaboni tojikī)は、中央アジアのタジキスタン共和国の国語です。 話者は同国の約1,000万人のほか、ウズベキスタン、アフガニスタン、ロシアの出稼ぎ労働者など、 あわせて1,000万人以上と見られます。
系統としてはペルシア語系の言語です。 イランのペルシア語、アフガニスタンのダリー語と並ぶ、 3つの標準語のひとつと位置づけられます。 文法の骨格はほぼ共通で、語彙の大半も重なります。
タジク語がほかの2つの言語と異なるのは、 キリル文字で書かれること、 ロシア語からの借用語が多いこと、 そして古い語や表現が残っていることです。 アラビア文字を使わなくなった結果、母音がすべて文字に書かれるようになり、 初学者にとってはむしろ読みやすい言語になりました。
3分でわかる特徴Quick Overview
1. 文字はキリル、でもロシア語ではない
35文字のキリル文字で書かれます。ロシア語のアルファベットに ғ ӣ қ ӯ ҳ ҷ の6文字を足し、 逆に ц щ ы ь を使いません。 文字と音がほぼ1対1で対応するので、読み方で迷うことは少ないはずです。
2. 語順が日本語と同じ
| タジク語 | 語ごとの意味 | 訳 |
|---|---|---|
| Ман китоб мехонам.Man kitob mekhonam. | 私は/本を/読む | 私は本を読みます。 |
| Ӯ ба Душанбе меравад.Ū ba Dushanbe meravad. | 彼は/〜へ ドゥシャンベ/行く | 彼はドゥシャンベへ行きます。 |
英語のように語順を組み替える必要がありません。 日本語の文をそのまま置き換えていけば、多くの場合それで通じる形になります。
3. 「イザーフェ」というつなぎ方
タジク語でいちばん特徴的なしくみです。 名詞に -и(-i)を付けて、後ろの語とつなぎます。
| タジク語 | 組み立て | 意味 |
|---|---|---|
| китоби навkitobi nav | китоб(本)+ и + нав(新しい) | 新しい本 |
| забони тоҷикӣzaboni tojikī | забон(言語)+ и + тоҷикӣ(タジクの) | タジク語 |
| хонаи манkhonai man | хона(家)+ и + ман(私) | 私の家 |
日本語の「の」に似ていますが、語順が逆です。 「私の家」は「家+の+私」の順に並びます。 形容詞も所有も、すべてこの形でつなぎます。
4. 動詞は不定形から作る
辞書に載っている形(不定形)はすべて -ан(-an)で終わります。 рафтан(行く)、хондан(読む)、 гуфтан(言う)。 ここから2つの語幹を取り出して、すべての時制を作ります。
タジク語文法 → 名詞、イザーフェ、動詞の活用、時制の作り方までを順を追って解説します。